「守」今まであった世界に色を灯させた。会うたび見るたび色は深まって、初めてこんなに色があることを知った。同時に俺の中にはモノクロしかなかった。「君が明るすぎて俺は消えてしまいそうだよ」そう言うと君は笑って「お前だって赤で明るいじゃん」 あとで思い出して泣いたのは秘密。
守は知らないんだ。俺が君によって消されること。基山ヒロトの名でサッカーはしない。グランである俺はサッカーでしか守と向き合えない。
そんなのサッカーじゃないと言われたら俺はどこに帰ったらいい?宇宙かい?
あの日、基山ヒロトは俺を殺しにきた。
「円堂くんは君はいらないって」
グランは泣かなかった。ああもう少し、君のそばにいたかったなと残念がっただけ。
「どうして…!なんで泣かないの…!」
基山ヒロトは泣いた。泣く意味なんてないのに、いつも俺から目を背けたくせに。軽蔑して、生きる価値あるのと何度も言葉で責め立て俺を利用したくせに。
基山ヒロトはナイフを大きく掲げた。滴は俺の顔へ落ちて熱を染み込ませる。
「だいっきらいだっ!!」
その降り下ろした瞬間、円堂守だった。
「ごめんな、オレ、グランが好きで救いたいから」
確かに聞こえた。君の声。初めて呼んでくれた名前。オレは死ぬんだね。
「基山ヒロトをよろしく……」
細い線がグランの瞳から描いた。
赤で明るいじゃんか…
(守の明るさには及ばないよ)
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140字ssとなんとなく円グラおわりへ
円ヒロは円ヒロでまた変化を遂げる
グランを本当に殺したかは円ヒロか基緑で
わかることでしょう
20111125
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