※
これの続きです。読まないとちょっと分からないです
お互いバテるまでサッカーをし続けた。途中、近所の子どもたちも混ざってきて、綱海チーム対塔子チームに分かれて試合をした。結果はザ・タイフーンを決められ綱海チームの勝利だった。子どもたちはまだまだ体力はあるらしかったが、自分たちは一息つくことにした。
「はーつっかれたー」
塔子は草の上にごろんと横になった。その隣に綱海が座る。
「まさか足怪我している綱海に負けるとは思わなかったよ!結構ブロック技強化したつもりなんだけどな・・・ってつめたっ!」
おでこにジュースの結露して落ちたしずくが当たった。
「本当怪我させた自覚があるなら、少しは手加減しろよなーほらジュース」
綱海は二本持っていた片方を塔子に渡した。塔子は自分の首に当てた。こうすると全身が冷えると昔お父さんが言っていたこと今でも実践している。我ながら高校生になってもお父さん好きだなと思うが、お父さんがいなかったらあたしはいないし、あたしはきっともっと暗い子だったろう。この気持ちと綱海を思う気持ちは一緒だと最近まで思っていた。違っていた。手に収まらないほど溢れて、抑えようとすると逆にどんどん増えていく。
リカにこのこと伝えてみたら、「それは恋や。まだ気づいてなかったんか」と笑われてしまった。かなり悩んでいたことだったので、すんなりと当てられてすんなりと落ち着いた。ああ、これが恋ってやつか。そういえば、とふと疑問が浮かんだ。
「なあ、綱海ー」
「んー」
「どうやってメール送ったの?ケータイ面倒だからいらないって前言ってたじゃん」
宛先が登録されていないメールアドレスからの場所だけ書かれたメール。あたしそれでここにいたんだった。
「あー・・・買ったわ」
「面倒くさいんじゃなかったの」
「んー・・・欲しくなった」
「なんで?」
「今すぐに伝えたいことが出来たから。文明の力に頼ろうかなと思ってさ」
塔子はドキッとした。隣を向いたら綱海がこっちをみて横になっていた。屈託なく笑う顔を何度もみてきているのに、全然慣れていない気がする。綱海が塔子の髪を触って撫でた。びっくりして反対方向に身体をひっくり返した。
「あーごめん、塔子の髪が綺麗でつい」
何の感情も生まれない今までがおかしかった。女の子だということを忘れていたのかもしれない。触られると顔が自然と赤くなっていくのは、気付いてしまったせい。今までのように振る舞えない。
「ん、顔赤いぞ。まだ暑いか?塔子」
名前を呼ばれることがこんな嬉しいものだとは知らなかった。全部綱海が教えてくれたから。なのに、
「なんで気付いてくれないのかなー」
ボソリと呟いた。
「気付いているよ」
綱海が答えた。
えっ…と綱海の方をみると顔が間近にあり、思わず目をつぶった。綱海は自分のおでこを塔子のおでこに当てた。片目だけ開けると、熱はないようだなと笑う綱海がいた。
「よし、休んだしもう一勝負するか!」
綱海は立ち上がって言う。よく通る声だ。塔子は顔が真っ赤だったが、その声をきくと安心した。いつもの自分が戻ってくる感じがする
「おう!」と塔子は立ち上がり、再びグランドへ向かった。
--------------------------
支部で続きを希望されまして、全く考えていませんでしたが嬉しすぎて書きました
前回の矛盾も解決されましたよかったです
綱海は結構アピールしてるけれど、言葉にしない(気付いてない)タイプ
塔子はアピールに気付かないで、恋心に遊ばれているタイプ
二人ともリカによく教えてもらってください
綱海は気付かなくてもいいかなーと思ってるからすすまないんだ
20110919