aqua、1主と4主編と微妙にリンク。
最終決戦直後。










親友は風が攫っていった。何処へ行くのかと聞けば、帰るべき場所へと風は囁く。
しかし魂は右手に宿る死神に捕われている。何を攫ったのかと聞けば、願いを、と風は言った。

願い、と呟けば風は曖昧に笑う。
天間の星の祈りを天魁の星へ。
天魁の星が眠る海へと、天間の祈りを。

「攫ったわけじゃない、あれはあいつの星としての宿命だよ」

それを繋いだ、それだけだと言って風は姿を消してしまった。
天間、天魁を繋ぐ星。
たしかに感じる親友の魂。死神が大切そうに抱える魂。
死神が鎌を振り上げる、逃れられない大きな力。そこから風が攫っていった。
海から迎えが来た。天間の星を、天魁の星が導いた。

「テッド」

親友は傍にいる。ただ、あの全てを悟った老人のような目をした人はそこにはいない気がした。

「君の天魁星はどんな人だった?」

何を伝えたかったのだろうか、親友がリーダーと認めていたであろうその人に。

「海か……」

見たことがあるのは、レックナートのところに行った時が最初で最後だ。
青く広い、果ての見えない水溜まり。

「テッド」

幸せだったんだろう? と呟いた言葉は風に溶けた。


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