関わったらおしまい(4)

※Mっぽい(?)尾形さん注意
























その日の夜 寝付いた後 側から気配を感じた



目が冴えてしまったが私は目を開けなように必死に目蓋を閉じた



途端 頬に誰かの手が添えられ撫でられた



「ひっ……!!」



急な出来事でつい声が出てしまった




「あぁ…怖かったか?」







そして聴きたくなかった声が聞こえてきた
















「お…がた…さん、?」





「綾香…」





なんで尾形さんが?



まさか今度こそ殺しに………



「なんで…もう関わらなかったじゃないですか……なんで…」



「?…殺されると思っているのか?違ぇよ…殺さねぇよ…」




「じゃあ…なんで…」



尾形さんが私の頬を撫で目を細めて言う




「なぁ…綾香…気付いたんだ……俺がお前のことを好きだって事が…」




「えっ…?」




突然の出来事に状況整理が出来ない




頭が混乱する



「綾香…俺にあんな事されて怖かっただろ?…トラウマになっちまっただろ?…だからほら…」




呆然とする私の手を取り自分の首に巻き付かせ



「俺の首も絞めていいぜ」




目を細めてそう告げる尾形さん






「は?な…なんで…」




「なぁ…絞めてくれよ…お前がされた事…俺にもしてくれよ…」




私の言葉を他所に手を上から握られ絞めさせようとする尾形さん




「やだっ…なんで……」



「俺にもしたらちょっとは落ち着くだろ?お前だけじゃなくて俺もされたって事になるからよ…だから」











〃早く 絞めてくれよ〃















私の腕をべろっと舐めた



「ひっ…!!!」




「うぐっ……!!」





腕を離そうとしたが尾形さんに掴まれ離すことも出来ずそのまま力強く握り締めてしまい 声を上げる尾形さん





だがその表情は苦しそうではなく どこかうっとりしているところがあった


「い…やっ……」



「ハァッ……ア…綾香…もっと……強く…」



息を上げながら私を見つめる尾形さんに恐怖を感じ腕を離そうと必死にもがいたが無駄だった




「やめ…て!」





「綾香……綾香……」





脳内が混乱しようとも尾形さんの首にかけている手を離せないまま力強く握りしめる事しかできなかった




「ぐっ…っぅ…….…ア………綾香……好…き… もっと…」



息が荒くなっていく尾形さんの顔を見て私は恐怖し




我慢出来ず涙を流してしまった




途端 尾形さんは目を見開き自身の体を起こし掴んでいた私の腕を解放して顔を覗き込んできた




「…っ!!ア……綾香…泣くな……」




先程の尾形さんとは違い心配そうに私を見つめてくる




「うっ……ぅ……」



「綾香………」




頭を撫でられ優しく抱きしめられる




だがそんな事で尾形さんへの不安や恐怖が消えるわけではない





「なんで……なんであんな事を…」




震える口を必死に動かしながら尾形さんに聞く




「首絞めか?お前にしていた事を俺にもして欲しいと思っただけだ  さっきそう言っただろ?」





何がおかしい?と言わんばかりに首を傾げる尾形さんにゾッと身震いした




「私のせいで…おかしくなったんですか…?」





震える私の口を指でそっと撫で尾形さんが笑う




「最初は鬱陶しいと思ったさ ベタベタとくっ付きたがるわ 声がうるせぇしよ ムカつく顔しているから二度と見たくねぇと思っていたさ」





ほんの一筋の光を灯していた尾形さんの目が光を失って濁っていく





「……だけどよ……お前が離れてから…心に隙間が出来たような虚しさを感じた…….いつも俺は一人だったのによ……お前の声が頭から離れない…お前の顔が頭から離れない……お前が離れてからずっと……寂しかった……寂しかったんだ…… 」





首筋に顔を埋められスリスリと顔を擦られる



「お…がた…さ」




「綾香……もうお前が側にいねぇとどうにかなりそうなんだよ……」




「ひっ…!!」





耳朶を甘噛みされ思わず声が出る











そして耳元で低い小さい声で











「そうだ…お前俺と仲良くなりたかったんだろう?…じゃあ仲良くなろうじゃねぇか」









「今まで以上に……な」







囁いた











 









「今までお前に冷たくしてきた分だけ…愛してあげるからな…綾香…」





手の平を重ね指先を絡めながら目を細めて見つめられる






「綾香…好き……好きだ…愛している…」




黒い瞳の中にはもう周りの景色など映っていなかった

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