悪魔と少女と | ナノ








邦枝葵は走っていた。
汗を滴らせ、髪を振り乱し、呼吸を荒げ、もつれそうになる足に鞭打って走る。

急げ、急げ!もっと急げ!捕まったら終わりだ。その時には私に命は無い!
自らを必死に奮い立たせる葵の背後から、凄まじい音量の雄叫びが聞こえて来た。

「待ちやがれ邦枝ぁぁぁぁ!!!」
「嫌です!私まだ死にたくありません!」
「殺さねぇよ!ちっと喧嘩……じゃねぇ、組手やろうって誘ってるだけじゃねぇか!」
「今喧嘩って言いました!?ともかく、組手だろうが喧嘩だろうが東条さんの相手するのは御免です!」
「んだとぉ!?逃がすかコラァッ!!」
「いやぁぁぁぁぁっ!!」

エクソシスト軍西支部に邦枝葵が派遣されて一ヶ月近く。今日も彼女は元気に熊の様な男に追い回されています。









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