そんなに我慢強い方でもないけど、嫌われるよりかはましと、一生この気持ちは隠すつもりでいる。
いつかは青春の過ちと笑えるかもしれないし、今はまだ想像もできない未来。
元が彼女なり好きな人なりできて、俺より近しい存在が出来れば…俺は…
「なぁ〜?」
「…………なんだ」
まだいたらしい松永がふと、真面目な顔で俺を見る。
「田村が好きなのか?」
「……、…親友だ」
「ま、いいけど」
好きには…色々あると思うがな、どの好きにもこの感情は当て嵌まらない。
多分、もっと、了見の狭い感情じゃないだろうか。
「なぜそんな事を聞く?」
「好きだから?」
「……何がだ」
「君が?」
なんで全部疑問形なのかしらんがお断りだ。
そんな寒気のする冗談。
「そうか」
「え?すげぇスルー?」
「今日の5限は英語だぞ、予習したのか?」
「え?おかん?てか、まじでスルー?俺の本気の」
「うるさい」
「…………」
「…………」
なんだその目。
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