元様と初めて会ったのは幼稚園だったと思う。
家が近所で気付いたら一緒だったから“初対面”を思い出すのは難しい。
でも昔は輪をかけて可愛かった。
小さい頃から発育の良かった俺とは違い小さくて華奢な体がなんだかほっとけなかった。
守らなきゃ…いけない気がしていたんだ。
なのにいつからかそんな感情は消えてなくなっていたのだ。
元様…いや、俺の幼馴染の“元”とともにそれらは突如として姿を消してしまったから…
『三臣、俺はー‥』
『―――‥元、様』
『み、つ……っ!!』
半年間。
元様は、俺と離れていたことを覚えていなっかった。
不自然なほどに。
『俺らはずっと一緒だね』
『はい』
元様。
違うんです。
俺らは一緒だったんじゃない。
あの時≠ゥら離れないようにずっと居たんです。
俺が必要だというから。
元様。
ひとつだけ残酷な言葉を吐いてもいいですか?
どうせここで捨てられるなら…最後に一つだけ。
貴方が愛した三臣は、
ここにいる俺ですか?
それともあの#シ年間をそばにいた三臣ですか?
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