部屋のドアを開けた瞬間、俺は死にたくなった。

勝手に元様がいるものだと思っていたからだ。
2位すら取れぬ俺に幻滅したって、絶対、ここに居てくれると。
俺は勝手に期待していた。

離れなければ足手まといになるとわかってはいても…ここに元様が居てくれたなら、まだ必要とされていると身勝手な解釈も出来たのに…。
元様は本当に、俺に幻滅してしまったのだろうか?

「元様…」

もう必要ないですか?
俺は、貴方にとって
恋人にも
片腕にも

なりきれない。

不必要な人間ですか?

「俺は、貴方を」

百の言葉で紡いでおけばよかっただろうか。
それともプライドも理性もかなぐり捨ててすべてを打ち明ければよかった?
もし、すべてを打ち明けても好きでいてもらえたならば…

抱きしめたかった。

だって、こんなにも。
こんなにも。

「愛して、います」

呟いた言葉は、静かな部屋にのまれて消えた。
まるでそれは無意味な言葉の様に、いとも簡単に。


明日になれば、
ケロッとした顔で貴方が来てくれると、心のどこかで期待している俺は最低ですか?



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