「あ!片付け終わったー?ごめん、勝手にお茶もらってるー!」
「はい」
「三臣のもあるよー」
満面の笑みで俺を出迎えてくれる元様は、俺の内心なんてしるよしもなく…
騙しているかのような罪悪感が俺を苛んだ。
可愛らしくお茶を差し出す手を掴んで、押し倒してしまいたい。
そんな衝動を堪えて俺はコップを受け取った。
「今日はどこのチームが参加するの?」
「はい、ウチと"雷帝"、新規の"Gusty"、噂ですが…"3e3e"も来るとか」
「そう」
真剣な顔付きになった元様の少し離れたとこに腰を下ろすと、彼はにこやかに微笑んだ。
「たのしみだね」
「はい」
今の元様は『北区の玄武』
走る事しか頭にない、最速の異名を持つ走り屋。
北区は4区で唯一走りを売りにする地区。
他3区とはルールもチームの在り方さえ違う。
喧嘩はご法度。
ただ純粋に走りだけを求めるものたちの聖地だ。
だから『集会』も他のソレとは少し違う。
俺らの集会には二つある。
一つは『Hurry(速く走らせる)』
もう一つは『Cup(賞杯)』
俗に集会、C集会と呼ばれている。
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