「身体に…負担がかかった状態ではバイクは辛いでしょう」
三臣は…
「元様は負ける事を許されない人間です」
俺と俺のチームの事をちゃんと考えててくれたんだ。
なのに俺は自分の事ばっかりで、なんか。
恥ずかしい。
「俺は元様の特別にはなれても、足手まといにはなれません」
恥ずかしい。
「申し訳ありません」
「三臣、俺…」
俺は…北区の玄武なんだ。
走るのが好きでチームを作っているけど、北区を任されてるんだから…ちゃんと、しなきゃいけないんだよな。
ごめん、な。
三臣。
俺、お前が思ってるより三臣の事好きだよ。
「三臣、ごめん」
大好きなんだ。
だから。
「俺、三臣の事大好きだよ、ホントなんだ」
「………っ」
「だからお前のために走るよ、誰にも負けない」
触れたい。
抱かれたい。
「ありがとう三臣」
だけど
三臣が『玄武』の事まで考えてくれるなら
「愛してる」
俺は、その覚悟に報いる為にもちゃんとお前と向き合いたい。
「……元様」
その時の俺は、強く三臣に抱き着いて居たから三臣の表情なんかまったく見れなかったんだ。
だから、何にも気づかなかった。
そう、ホント、何も。
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