出て…来ちゃった。

この扉一枚向こうに確かに三臣はいるのに…。
鍵だってかかってないってわかってるのに

「…………っ」

開けられないよ。
だって怖いんだ。
俺を求めてくれない三臣を見るのが。

わかんない。
三臣が何考えてるのか
わかんない。
俺がわがままなの?
心も欲しい。
でも、身体も欲しいよ。

「ばかっ」

この…身体を…
三臣だけのものにして欲しいのに。

「…ばか」

待てないんだっての。
ばかっ!!
何年片想いしてたと思ってるんだ!!
もう一秒だって待てない!

「……か」

足が地面にへばりついて動かないじゃん。
ここに居たって辛いのに…
ううん、どこに行ったって辛いよな…
変なの。
三臣のせいでこんなに辛いのに、三臣がいなきゃもっと辛いんだ。

ダサいなぁ俺。

離したばっかりのドアノブに手をかける。
向き合わなきゃいけないんだよ、やっぱ。
二人のことなんだから。
子供みたいに当たり散らした事を謝らなきゃ。

だって俺は三臣が何を考えてるのか聞いてない。
ちゃんと、聞かなきゃ。

付き合うってこーゆー事なのかもしれない。



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