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「三臣!ただいま!」
「お帰りなさい、随分遅かったんですね」
「え?そう?マガジン立ち読みしてたからかな?」
三臣は納得してなさそうな顔をしていたけど、俺は気にせず袋の中身を机の上にぶちまける。
あ、さっきの本じゃなくてね?
帰りに寄ったコンビニのお菓子。
三臣にはお茶、俺にはコーラ!!
育ち盛りだからお腹減るんだよね!
「三臣、俺の事好きぃ?」
「…、……?」
なるべく目は合わせないようにして、俺は何気なく聞いてみる。
「そう…ですね」
三臣はわけがわかんないって感じで俺を見る。
「なら、俺のお願い、聞いてくれる?」
そう!
本に書いてあった!
この手のタイプは真っ向からのお願いに弱いって。
「…………」
あぁ。
そんな感じの表情だった。
なんだ、そうゆうことか、って。
落胆や呆れたみたいな色を含んだ表情。
三臣は静かに目を閉じる。
「……命令なら」
アレ?
なに、この空気。
こんな…はずじゃないのに…
ただ、いちゃいちゃしたくて…三臣も…笑ってくれると思ってたのに。
どうして、そんな。
俺、こんなはずじゃない。
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