求め合うみたいに伸ばした手がもどかしくて、絡み合うみたいに抱き合った。
「ばか、三臣」
「申し訳ありません」
ホントばか。
謝る言葉なんかいらないから黙ってキスしろ。
「もう二度とあんな真似はしませんから、どうか、副長から外すなんて…」
………は
「ハァァアッ!?」
おま、ちょ…!
どんだけ空気読めないの!?ばか通り越してばかじゃないの!?
しろよ!
むしろ今抱けすぐ抱けさぁこい!
「あ、いや、違うんです」
俺のあまりの形相に三臣は慌てて俺を離す。
あ!コノヤロ!
俺、離すなって言った!
「俺は元様の事が本当に好きなんで…身体だけとか思われると、嫌ですし…」
う゛っ
それを言われるとキツイ。
俺だって三臣の身体目当てではないし。
いや、頭ん中はそればっかりだから、あながち否定出来ないんだけど。
「お、追い追い…」
真っ赤になるなよ。
今時どんだけ清いお付き合い希望なんだ。お前は。
「待っとく、けど」
「はい」
「待ちくたびれたら浮気してやる」
3日以上待てないからな!
まったく。
我が儘な恋人だ!
「が、頑張ります」
本当に、帰ったら寝直しだよ。
こんな朝っぱらから走らせやがって。
あぁ、でも。
良い夢が見れそうだ。
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