オレ、田村元(タムラ ゲン)は北区の玄武ってゆー偉い地位を持ってるらしい。
んなのどーでもいいけど。
俺、今モーレツに困ってるんだよね。
「三臣ぃ〜俺のお願い聞いてくれる」
「もちろんです、元様」
この男は真添三臣(マゾエ ミツオミ)、うちのチームの副長をしている。
体つきは柔道やってました!!みたいな完璧ごっつい感じに程よく自黒。
顔はカッチョイイけど、ちょっと渋目。
「様付けるのヤメテ」
「出来ません、チームの掟ですので」
おかしくない?チームの掟って普通総長が決めるもんでしょ?
俺だってチームの皆と仲良くしたいのにー!!
鈴ちゃんとこも泪ちゃんとこもチーム仲いいし、チョー楽しそう。(白銀は俺様だから除く)
「俺のお願いより大事な掟があるんだ」
「……いえ、そんな…」
うちの集会は大体夜、走り屋だからね。
だから昼間は俺は三臣の家に転がり込んでる事が多いわけ。
今日みたいに。
「じゃ、呼んで」
「俺を困らせて楽しいですか?」
「俺だけ仲間ハズレにして楽しいわけ?」
皆と話すときはそんな口調じゃないくせに。
「もーいい」
そぉ、困ってる。
俺を対等に扱ってくれない三臣に。
チョー困ってる。
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