散歩中のお姉さん、ぼうっと空を見つめるおじいちゃん、新聞配達のおじさん。
朝特有の街の住人達を追い越して風をきる。
朝風がほてった体を冷ますように優しく撫でてくれる。
北区は走りのチームばかりだから他地区に比べて穏やかで、山と海に囲まれたここはその長閑な環境からお年寄りも多い。
俺はこの風景が好き。
もちろん、三臣も。
ずっと一緒だったからお前の考える事なんかまるわかりだよ。
感じるんだ。
「三臣、今行くから」
今、こんなにも会いたい。
お前がこの想いに応えないはずはない。
「待ってて」
お前のものになりたい。
でも、
叶わないなら命令してやる。
嬉しいだろ?
だってお前は俺のだから。
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