口に突っ込んだ方の親指で顎をのけ反らせると俺は首を舐める。
鎖骨から顎までつぅっと舌を滑らせれば、小さな口に俺の指が刺さっているのが卑猥だ。
キス、したい。
思った瞬間、元様の腰が揺れる。
ぐりって、俺の勃ちあがったものと元様のものが布越しに擦れてしまう。
感じてるんですね元様。
ならば、
やめなくていい?
「ふぁ…ん、んんっ」
貴方が、欲しい。
「ん、ん、ん、むぅ」
揺らした腰が元様の腰を穿つ。
頭ではわかってた
こんなにしておいて
言い訳なんか通じやしないってことは。
逃げ道さえ無くなれば
俺は言えるだろうか
愛してる、と。
「…っく、ふ」
しゃくりをあげる声に俺は固まった。
見ないようにしていた元様を見遣ると、頬を真っ赤にさせて涙を流していた。
体の熱が一気に冷める。
何を…何をしていたんだ俺は!!
俺は謝る事さえ出来なかった。
指を引き抜き、泣きじゃくる元様に毛布をかけて逃げるように外へ出た。
震える手を叱咤し走って走って走って
とにかく元様から離れたかった。
俺には、貴方の隣なんて不釣り合いだったんだ。
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