服を正して並んで帰る俺らを、傾いた太陽がオレンジに染めた。
「萌黄君大丈夫?」
「んー?ヘーキ」
もういつも通りの萌黄君は、冷静に見えて未だ時々熱い息を漏らす。
俺にはわからないが中に残っている俺のが歩いていると『タマラナイ』時があるんだとか。
「さっきの話だけど、別れたいならいつでも別れてやるよ?」
「萌黄君、それ酷い」
「そぉか?だってお前もう俺以外じゃ勃たないだろ(笑」
俺は思わず立ち止まる。
その通りかも知らないけどここは夕方の大通りで、回りもバッチリ立ち止まっちゃったりしたわけよ?
「ドウカナ?」
俺のしぼりだした言葉にまわりも動き出す。
別に周りの目なんか気にしてないけど、俺インポだと思われるのは勘弁してほしいな、なんて。
「ふぅん、じゃあカズやユエの裸で勃っちゃうわけだ?」
「…モデルが悪い」
萌黄君はケタケタ笑って俺の胸倉を引っ張る。
「もぇ…っ!!」
ちゅ、って軽いキス。
周りの人が叫んだみたいだったけど、俺にはまったく聞こえていなかった。
だって萌黄君の言った言葉で精一杯だったから。
「俺はお前でしか勃たないのに」
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