「最近は平和すぎて『朱雀』なんて忘れてた」

萌黄君は低く笑うと、近くにいたガキの頬に手を伸ばす。

「知ってるか?」

ガキ三人は萌黄君の妖艶な雰囲気にのまれて何も言えないようだ。

「現『朱雀』は初代にして終わりの代だ」

する、と萌黄君は頬を撫でていた手を首を滑らし下へと下ろしていく。
俺からはよく見えないが、いつも俺とSexする時のように…。

「誰にも譲らない」

唇が触れ合う程近くでそれは喘ぎのように発された。

一瞬、ガキの瞳が揺れる。

「ねぇ」

甘い甘い誘惑。
まるで何かを強いるかのように萌黄君は問い掛ける。

男が迷ったのはそこまでだった、萌黄君の手を掴み片手で腰を引き寄せた。
萌黄君は甘ったるい声を上げ弱々しい抵抗を見せる。

まぁ、お盛んな青少年にしては耐えた方だろう。

だけど、萌黄君のお遊びに付き合うのもここまで。

「――‥グァァアッッツ」

「何だっ!!!?」

とりあえず俺は近くにいた一人を後から蹴り飛ばし、萌黄君の腕を引っ張り俺の後に隠す。

「炎天烈火の総長か!!」

萌黄君は楽しそうに笑った。




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