「手を出すな、そばに居ろ、ってか?」

「オゥ」

なんつーか知ってる?
生殺しっての。

「無理」

「イヤ、俺も無理」

「…………」

「…………」

なんか抱き着いてる腕に、別の意味で力入って来たわ。
お互い。
抱擁って言うより地味な格闘技みたいになってきた。

「…………!!」

「ッッ、…この…!」

将之が俺に足払いをかます、なんとかバランスを整え俺が将之の足を踏み付けた。
まぁ…俺らなりに真剣な攻防戦を繰り返しているが、上半身は抱き合ったままなので端から見るとかなりマヌケなんだけど。

そう、端から見ると――‥

「何ソレ、求愛のダンスかなんかぁ?」

「「……ウォッ!!」」

いつから居たのか手摺りに座ってるのは超ミニをはいたユエ。
見えるから!!てゆーか見たくない!!女物でも男物でもなんか嫌だ!!

「ハァイ♪」

「もう帰って来たのかよ」

「来たわよぉ!!アパートの2階で変なダンス踊ってる変態が居るって苦情がイーッパイかかってきて!!ユエちゃんたいへーん!!」

「………っ」

「まぁいいわんvもえちゃんが喜びそうなムービー撮れたしぃ!!」

むーびー?
ちょ、お前、…ぇえッッ!!!?




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