ドアは言い合いにうんざりしたかの様にすんなり開いた。
「やっと出て来たか、ヤドカリ野郎」
まだ顔が見れない俺は倒れ込むみたいに将之に抱き着く。
最後にこれくらいいいだろ。
「ちゃんと聞け」
ぎゅ、と首に腕を回されて逃げれない様に捕獲。
しなくてももう逃げねぇよ。
離れたくないから言わないけど。
「お前とは付き合えねぇ」
もうちょっと、言葉選べよバカヤロー…
イイヨ、知ってる。
わかってた、だからこれ以上しゃべるな。
「彼女も一時いらねぇ」
「…………へ?」
「俺は女が好きだけど、お前が離れてわかった」
「まさ?」
さらに腕に力を入れて、将之は俺の肩に顎を乗せる。
「彼女より、お前の事を考えてた」
「…ッッ///」
「イヤ、そんな耳真っ赤にされても…俺好きだなんて言ってないからな」
ウルセェ!!わかってっけど嬉しいんだよ!ほっとけ!!
「だから、今はお前が居れば他はイイ」
お前は…
俺を殺す気か。
「でも、俺は将之の事…好き、だし、近くにいたらゼッテェ襲う」
「ヤメテクダサイ」
「…………」
「…………」
なんなんすかね、コイツ。
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