「真剣…に…?」
出た声は、情けないほどに震えていた。
「そう!ちゃんと言うから出てこい!!」
前に告白したときは軽く返された、嫌だったけど、だから諦める理由にはならなかった。
副長は、付き合う気がないなら切ってやれって言ったけど…俺は…
「嫌だ!!」
真剣に拒絶されたらこの想いはどこにやればいい?
「ウルセェ!!片思いに酔ってんじゃねぇよ!!」
「――――ッッ!!」
「いつから俺の片割れはそんな臆病者に成り下がったんだ!」
聞いてりゃ言いたい放題言いやがって!
好きなら好きなだけ、怖くねーはずねぇだろ!!
「ウルサイッ!!将之の説教なんかいらねぇよ!!」
「聞け!!いつだって俺らは、欲しいものは奪って来ただろう!?今更ナヨナヨしてんじゃねぇ!」
「黙れよ!!」
「俺はなぁ!!自己チューなんだよ!!自分の言い分は曲げねぇけど、自分の思い通りにならねぇもんは大っ嫌いだ!」
大っ嫌いの言葉に俺は体を固くする。
そんな俺を知らずに、将之はさらに声を荒げていく。
「お前の居場所はソコじゃねぇ!!俺の横なんだよ!!」
なんなんだよ…
お前、どんだけ自分勝手なわけ?
あぁ、でも。
なんでだろうな。
いつだって、俺を奮い起たせるのはお前の声だ。
prev next