カンカンカンカン

階段を上がって来る音がする。

ユエ?でもユエにしちゃ足音が乱暴だ。
まぁ、誰が来たって出なくてイイって言われてるし…関係ねーか。

トントン

んー、ウチ?
新聞はいりませんよー

トントン

留守ですよー
居留守デスケド!!

「…れ、イネェ…?」

将之っ!
イヤ、違う!!まさかっ!
でも聞き間違うはずがないんだよ!!!!

「出かけてんのかな」

……ッッ!!!待って!!!!

ガチャン!!ガッ…ドガッ!!

俺は慌て過ぎて自分の鎖を踏み横転。
畳みに突っ伏すという情けなさっぷりだ。

「……ッテェ」

「和雅?」

しまった!何やってんだよ俺の馬鹿野郎!!
今会ったってなにも変わらないじゃないか!!

「いるんだろ」

さっきとはうってかわった激しいドアの音に隣人が壁を叩く。
すいません、ってか俺じゃないし!!

「かずっ!!」

そんな切ない声で呼ぶな、反則だろ?
期待しちまう。

何回傷付いても何回諦めても、俺、馬鹿だから。

好きだよ。

「居るだろ!!和雅!!」

諦められねぇ。

「お願いだから」

家族でも、兄弟でも、

「声、聞かせろよ」

お前の事を愛してる。




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