鏡を見て、俺はため息をついた。

将之から逃げて一週間、

なぁにが『家族に戻ろう』だ、情けねぇ。
未だに鏡の中の自分さえ直視できねぇってのに。

終いには副長にまで心配させて、ユエの…天敵のトコロにまで転がり込んで!!
俺は何をやっているんだぁぁぁあ!!

昔っから苦手なんだよ!

毛が逆立つっつーか!!
人の事オモチャにしてるっつーか!
帰りたいよぉ!!マサユキィィィ!!!!!!

「ざまぁねぇよな…これじゃ」

決めたじゃねぇか、将之を家族として見れるまで帰らないって!!
大丈夫!!ここならばれないだろう。

ってか、………迎えも、来ないだろうし…

今なにやってるかなぁ?
休日だし、香織とデートだよな。

「ダァアッッ!!やめやめ!!」

鬱々した気分を払おうと叫んだら、隣の部屋の兄ちゃんがウルサイと壁を叩いてきやがった。
ユエいわく、とてもじゃないが合格点はあげられない男、らしいが。

そう、ユエのアパートは今時めずらしいくらいのボロアパートだ。
削った家賃代はすべて洋服やら化粧品やらに回しているとのこと。

まぁ、外泊が多いからここは洋服置場みたいなノリなんだろーけど。




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