俺がすべてを終えた時、時計は日付を変えていた。
明日も早い、携帯のアラームをセットしながら俺は思わず携帯を取り落とした。
全身の血が一気に引いた気がして俺は固まる。
「遅く、ないか…?」
萌黄君が風呂場へ行って一時間以上起っている。
それになんの音も聞こえてこない。
瞬間、俺は携帯を蹴飛ばしたのも気にせず風呂場へ飛び込んで行った。
「…っ、萌黄!!!!」
ノックもせずに開いた扉に萌黄君は何の反応も返さなかった。
マットの上に小さな体をさらに小さくして倒れていたのだ。
「萌黄、オイッ!!萌黄!?」
抱き上げた萌黄はいつものように軽くて、規則正しい寝息を…
寝息を?
「寝て…る?」
脱力感に襲われて危うく萌黄君を落としそうになったが、なんとか力を入れ直して抱き直す。
「クソッ」
軽すぎる体に軽く舌打ちしながら綺麗に体を拭きあげる。
服は面倒だからそのまま素っ裸でベッドに寝かせて俺も服を脱ぐ。
抱けないんだからこれぐらい、せめて、ねぇ?
抱き寄せて
口づけて
強く願う。
少しでも君の負担を減らせるように。
prev next