萌黄君はいつも平然としてるから…、いや、年上ってのもあるんだろうけど。

俺は領収書を現金出納帳に記入してからスクラップブックヘ張っていく。
カサカサと音を立てる紙切れに無性に苛立ってくる。

こんな紙切れに萌黄君が苦しんで…

「…何やってんだ俺」

危うく握り潰しそうになった領収書を綺麗に伸ばしてまた張り出す。

話を戻して何故こんなに忙しいのかと言うと、
原因はかなりある。

ひとつ、双子の世話をかいがいしく見ている萌黄君は双子の相談役としてプライベートの時間を削っていること。

ひとつ、ユエが戻ってきた事でチーム内に波紋が広がった事だ。
俺らにしてみれば慣れた事だが、チームの中堅達にとって出たり入ったりしていながら親衛隊の隊長というポストが気に入らないらしい。

放っておけば亀裂となるだろう…

それを萌黄君が宥めて回っているのだ、俺には隠れて。

勿論、隠すつもりは更々無いらしいが言わないって事は口だしするなって事だろう。

まぁ周りから聞いて知ってるんだけど。

他にも色々あるんだが総合すると萌黄君は時間がない、そこに通常業務もあいまってこんな状態になってしまっている。




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