嫉妬、が、ないと言えば嘘になる。
「いらっしゃいませ、急な雨で濡れられたでしょう?タオルお持ちしますね」
恋人なら当たり前なのかもしれないけど。
毎日一緒にいるからよくわからないが、炎はカッコイイ部類に入るらしい。
ノッポなだけだと思ってたんだけどな…
時々、こーゆーお客さんが来る。
…………炎目当て。
「ご注文お決まりになられましたらお呼び下さい」
俺が愛想を振り撒いても彼女は炎だけを見つめ続ける。
基本的にうちの店は俺が接客、炎が厨房…っていうかカウンター?で料理。
忙しい時はチームの奴らがバイトで入ってくれるけどね。
だから今日みたいな平日は俺ら二人。
に、お客さんがこの有様。
微妙な空気だけど炎は気付かない、ってゆーか興味がナイ?
「すいません、珈琲とホットサンドいいですか」
「わかりました、萌黄君、珈琲お願いしていい?」
「ハイ」
ハイだって!!俺!!!!(笑
何このテンション!!
まぁ腐っても社会人なんだけどさ、俺ら。
珈琲いれてお客さんの方を見る。
相も変わらず真っすぐな視線。
隙があれば近づきたい女の子の純粋なキモチなのかね?それとも欲望に忠実な行動?
嫉妬、する。
俺はそんなに真っすぐな視線で炎を見れない。
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