知ってるよ、こんな事ばっかりやってから炎は由井が嫌いなんだ。
「由井、ワリィナ」
俺は由井の上からどくと両手を広げて炎を見る。
オイデ、ってね。
「浮気者め、次回は満足させてもらうぞ」
クスクス由井が笑って立つと同時に、炎がスゲェ勢いで俺にタックル。
「次は萌黄がいねぇ時に来いよ、ヤリ殺してやる」
炎の滅多に聞けないドスの聞いた声。
まだまだガキだな。
「ほう、面白い」
対する由井は肩眉を跳ね上げただけの余裕の笑み。
「さすれば、その前にディップを倒して来る事だな」
あーあー、また始まったよ二人。
見とく分にはイイんだけどな。
由井、急ぎだって言ってたし…
「戦う姿は黒い蝶
舞う姿はさながらツバメのよう
虚ろな瞳は何もうつさず
立ちはだかる者を殺戮するだけの人形」
「・・・、また来る、近いうちに会おう」
俺が何を言いたいのか察した由井は近くの窓から身を踊らした。
二階だし問題はネェケド。一階から行っても誰にも見つかんねーと思うよ。
全員、炎にノサレテルと思うから(笑
「浮気者」
罵ったのは俺の方。
炎はふて腐れて何も言わない。
「俺がイネェ間に由井連れ込んで死ぬまで可愛がっちゃうワケダ?」
炎は座り込んだ俺の腹に抱き着いたまま俺を睨む。
カワイイマネできんじゃん?
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