和雅はバカっぽいし、いや、実際バカなんだけど…
私や炎と比べると喧嘩もイマイチだから、こうやって第三者として喧嘩を見ると不思議な気分よね。

ちゃんと強いんだなぁって(まぁ、ああ見えてウチの特攻隊長なんだから当たり前っちゃあ当たり前かしらねん)

「ッラァァッッ!!」

「まとめてヤッちまえ!」

うん。
でも、そうね。
強くなってる。

確実に。

強い人間と戦う事で和雅は確実に強くなってる。

「追い付かれちゃたまんないわね」

嬉しいのか、淋しいのか。
強くなってもらわないと困っちゃうんだけどね。
でも、やっぱ…淋しいだろうなぁ。

いつか、私より強くなってしまったら。

「ショック、よね」

殴り掛かる相手を和雅がかわす。
後ろに回り込んだら軽く一発入れて、相手が体勢を崩したところに重いのを一発入れて潰す。

「ほんと、強くなっちゃったなぁ」

私は目を伏せる。
深呼吸をして
静かに動き出す。

「ア゛ァ゛ッ!?」

少し離れた位置にいた男を鉄扇で殴り飛ばすと、追ってそいつの腹にヒールを食い込ませた。

「うわ、ユエずりぃ!最後の一人だけ持ってくなんていいとこどりもいいとこだぜ?」

「ふん!待ちくたびれちゃったのよ」

「ほら、二人とも片付けたなら先行くよ?」

私も、もう少し強くならなきゃね。




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