十人、か。
「少ないわね」
正直な感想がつい口からこぼれてしまった。
階段を上ってすぐの部屋には一階とは明らかに格が違う野郎共が十人。
筋肉ダルマみたいなのも数人いるし、やっだ!絶対あんなのと組みたくない!
「なんだぁ?なんかイイネェチャンがいんじゃん?“弾み”で触っちまったらどーすんだぁ?イロイロとよぉ?」
―――‥
「ギャハハハッツ!!ありえるねぇ!?触っちまうかもなぁ!?」
――――…ッ!!
「「黙って寝てろッッ!」」
「…、ちょっと!?」
私が動き出す前に、私の脇から二人が踊り出て、もろにストレートを決める。
炎はともかく、和雅に殴り飛ばされた方まで一発KOってのは意外ねぇ。
最近ヤラレ役が染み付いてたからかなぁ。
ま、でも…
「カッコイイじゃない」
そこら辺の女の子なら速攻オチてたんじゃないかしらん?
「ユエ、テキトーに見とけ!!すぐ片付く」
……へぇ?
いつの間にか男らしくなっちゃったのかな、和雅。
「言いやがったナァ!?」
「潰せェェェ!!」
なら、任せちゃおうか。
言っとくけど、
私の期待に添えなかったら、後がキツイわよ?
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