静かな夜に扉を開く音だけが不気味に響き渡る。

中は意外にも明るい。

「はぁい?こんばんはぁーユエチャンでっす」

どんな男でも一発でオチル私の笑顔に相手も満面の笑みを返してくれた。
言わずもがな、気持ちいいものではなかったが。

「炎天烈火だ、潰させてもらう」

「手当たり次第に潰せぇええ!!!」

いきなりたまり場に乗り込まれたにしては敵も余裕ね、予想していた?
まさか、ね。
メールを萌ちゃん以外が読むと踏んだ上での罠?

誘い…こまれた…?

「いいわねぇん」

大した自信だわ。

「ぞくぞくしちゃう」

一階にはブレーカーとやらはいないみたいね。
見た感じ寄せ集めの雑魚、もしくはチンピラ風情。

兎さんから貰った見取り図からすると一階は一部屋、二階は三部屋。
入口から一番離れた場所に階段があり、二階へ上がるとすぐに小さな部屋が。
その奥から次の部屋へ、さらに奥へ行くと一番奥の部屋へと行けるのだけど…

二階の最奥の部屋以外はすべて窓が潰されているのよねん?

つまりは入口とその窓以外は逃げ場はない。

「和雅、炎!!作戦通り行くわよん!?」

つまりは逃げ場を確保しておかなければならないってわけよ?
何があるかわからないしね…まったく。




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