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「チームの結成日が昨日ってどういう事なんです?」

やはり兎は怪しい動きを見せたチームをすでに掴んでいた。
チーム名は無し。
頭の名前も不明。
昨日まではその形すらなかったと、兎は言う。

『チームを主に動かしているのは字(アザナ)と、呼ばれる者だ』

「アザナ…?聞かない名前ですね」

『うむ、一昨日まで南区だけではなくほかの三区にもそのような者はおらん』

いきなり現れた…?
と、いうことはまるっきりの部外者か。
だとしても。部外者が、なぜ萌ちゃんに。

『しかし、字は頭ではない字には弟と妹が一人ずついるらしい』

「兄弟、ですか?」

『三人とも隣町で名を馳せた“ブレーカー”だそうだ』

……ブレーカー…
壊す者、を意味するその名は無所属の喧嘩屋。
つまり、お金で誰かの喧嘩を変わりに行う人間のことである。

「じゃあ、今回の喧嘩も依頼だと?」

『確率は高いが、どうであろうな…三人はすでにブレーカーをやめておる』

これを機に引退するつもりかしら?
でも少し不自然ね。
もし
彼等を動かすものがお金以外にあったとしたら…?
ブレーカーをやめたんじゃなくてやめなければいけなかったとしたら?

頭は極めて恵まれた環境で育った戦闘能力の低い人間だろう。




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