炎の逞しい腕が好き。
優しい瞳が熱に蕩ける瞬間、俺を映すのが好き。
その声が、俺を呼ぶのが

「萌黄君」

堪らない。

「そんな顔スルナヨ、人抱く時に」

炎天烈火の“炎”は燃え盛るチームの命、炎を表し“天”はそれを見守る天(ソラ)、俺を表し“烈火”とはそれを取り巻くチーム全員を表している。
教えてやるよ、天は時に残酷な雨を降らすと。

「弱いね、俺も」

「………」

「この手が俺以外に触れるのかと思うと気が狂いそうだ」

「フフッ、イイから黙って抱いとけ」

誰よりも強いがため、誰よりも身動きがとれない。
可哀相な炎。
大丈夫、俺が、お前を煩わせる総てを消してやる。

そして、

お前が、俺の憂鬱をすべて快感に変えてくれ。

「わかったよ…でも、むちゃはしないで」

きつく、きつく抱きしめられて笑った。
セックスより、こうされてるのが好きになったなんて昔の俺が聞いたら笑うだろうな。

信じねーかな?

どうだろ、案外笑っちまうだろうよ。
悲しそうな顔して

『ヨカッタ』

て。

よかったよ、こいつに出会って。
快感まみれの虚しい生活なんてもうイラナイ。




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