別に戦力的に不利というわけではないのだ、炎が言いたいのは。

つまりは、その役を一時的に誰がするかと言うこと。

下っ端はもちろん論外。
負けるような事があってはしゃれにならないし、
逆に炎も無理。
大将自らンナ事して回るなんて名折れもいいとこだ。

そして、炎が俺を送り出すとも思えない。

「いいじゃない!来たら潰せばぁーそんな事して回ってたらお肌荒れちゃう!」

まぁ、ユエが素直に行くとも思えないが…。

「いい、俺が行く」

「萌黄君っ!?」

「萌ちゃん!!!!」

ユエの言い分も正しい。
だけれども、雑魚も群れれば厄介になる。

将之の件は、俺の責任だ。

「今日は解散だ、文句はきかねぇ」

鈍ってなきゃイイケド。
間違っても負けるような事あっちゃならねぇし。

「萌黄君!!」

「文句は後で聞いてやる、ユエは帰れ」

「主ッ!!…っ、かしこまりました」

ユエの今にも泣き出しそうな顔に罪悪感を感じながら、手を差し延べそうになる自分を叱咤する。
しなきゃいけない事を優先すべきだ。

そう、例えば
愛しい恋人の機嫌取りとか。




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