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「マサユキィィイ!!」

その異常な光景に、何を感じるわけでもなく
ただ、将之が倒れている事実に眩暈がした。

何だコレ…?
俺はナツキと

「気付かれましたか?」

細い身体で一生懸命俺をおぶっていたナツキが申し訳なさそうに笑った。

「子供、無傷でした。本当にすみません」

子供…?
そうか、そうだよ!
何を思ったかちっせぇガキが俺らの喧嘩を止めに入って来て
ナツキは思い切り殴り掛かる瞬間だったから、咄嗟に俺、あのガキを…

イヤ、そんな事どーでもいいんだ!
将之が!!

俺はナツキから飛び降りると将之に走り寄る。
横にいた男が溜息をついたのだけ聞こえた。

「将之っ!将之!!将之!??」

泥まみれで、ボロボロじゃねぇかクソッ!!

「しばらく意識は戻りませんよ」

男は何の意志もない瞳で淡々と告げる。

「全身の打撲、それに加えてアバラを何本かヤられている」

「……お前が、やったのか?」

「頼まれましてね」

…………。
副長、かな。
ナントナク、だけど。
ここまで容赦ネェとそれ以外って選択肢はないんだよね生憎。
なんか、笑えてきた。




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