奴は一瞬面食らった顔をしたがすぐに嘘くさい笑みを張り付けると

「本当におっしゃるとは…知りたくもなかったんですが、一応礼儀ですからね。那津(ナヅ)です」

と軽く頭を下げた。

「いやみったらしー」

「光栄です」

うわ、ちょー嫌な感じ!
なんなのコイツまぢで!!
てゆーかなんなわけコイツは!!

「目的は?」

「別に…暇つぶしですかね?まぁ頼まれたってのもあるんですが個人的には暇つぶしです」

「………ハイ?」

「いいじゃないですか、だって貴方も拳の世界で生きている人間なのでしょう?」

い、いや、そーっちゃそーなんだけど。
いくらなんでも暇つぶしで人と殴り合える程突っ張って生きてないっつーか。
頼まれたんだろ?
もちょっと頑張ってやれよ。

「私が望む事はただ一つです、完全な勝利と敗者にはそれ相応の罰を」

「いや、意味わかんない…っつか罰って」

「一つだけ私の命令を聞いていただきます」

いやいやいや!
勝つ事前提ってかアレっすかね?オニーサン。
ぇ…エスのヒト?

「えっと…拒否シマス」

「……フフッ
勝ち取って見せて下さい」

そう言って那津は制服の上着を脱いだ。
…まぢで?




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