「あんたたいしたタマだなぁ、かわいいツラして」

仕事中、いつもの如く入り浸っていたソイツは何ともマヌケな顔をしていた。
何気なく俺が話してやった炎の事が意外だったらしい。

「そうか?」

「最悪だね!そのガキだってちっと考えりゃわかるだろーによ」

柘榴がいないときでよかった。
あいつに知られたら後からうるせぇからな。

「あんたが犯されて泣くタマじゃねーだろ」

「意外によく見てるな」

「頭はネェけど人と先を見通す目だけは自慢でね」

「…フッ」

確かにいい目だ。
真っ直ぐ人を見る、媚びの無い瞳。
炎みたいに優しい色合いじゃない、強い意志の色。

「しかしどーすんの?元カレとでも引き合わせるわけ?その子」

「元カレなんかイネェヨ?みんな体だけの清い関係だから」

「ひっでぇ男!じゃ、どーすんのさ?」

少し離れた席に座っていた男がこちらを横目で見るが、興味が無いのかあくびをして再び眠りについた。
窓際の席に着く二人の男とこの男のツレ、八重は『八重桜』のメンバーらしい。
まだ四人らしいが…

「なんだ?冷たい男だな」

「ハイ?俺関係ネェ…まさかあんた!」

「察しがイイ奴は好きだな、話が早くて。ねぇダーリン?」

俺の超絶可愛いウィンクに奴は顔を顰ていた。




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