見開いたその瞳から、零れ落ちるような紅茶色。
「…センセ」
「出来ないならイイヨ」
綺麗な綺麗な炎の瞳。
「犯され…?」
疑う事を知らない、純粋無垢なアメダマの目。
俺だけを映す透明な紅茶色。
「そう、助けて」
「…助ける……?」
「うん、そしたら俺は炎だけのもの」
「俺だけ」
「ねぇお願い」
俺を楽しませて。
そしてあわよくば、その感情に後悔しながら消えてくんないかなぁ…なんてね。
もちろん俺は無理矢理犯された事なんかなかったけど、嘘をつくのにためらいなんかなかった。
炎が傷付いたとしてもどうせ他人なんだし。
「俺を、愛してるなら」
「わかった!!そいつにあわせて」
「ありがと炎」
それからなし崩しにセックスしてよがり狂った俺は炎の中の狂気に気付くはずもなかった。
ソレを呼び起こしたのはきっと俺なのに。
「萌黄センセ大好き」
優しい言葉と甘いセックス。
いつも他の男達から与えられていたものに囲まれて、俺は考えもしなかった。
この年下の男に
すべて持って行かれる日がくるなんて。
「大好きだよセンセ」
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