炎と俺が知り合って一ヶ月、うちの店に一人の不良が入り浸る様になった。

炎ほどではないが身長は高く、服の上からでも鍛えられているのがわかる体。

そこら辺に転がっている不良とは格が違うソイツ。

その時の店長である柘榴は大層ソイツを気に入ったらしく、チームを旗揚げすると聞けば『うちの店をたまり場にすればいい』と言い出す始末。

男は喜んで次の日には自分の彼女を連れてきた。
桜色に染め上げられた長髪と赤い瞳を持つ女を。

後に決まるチームの名前がこの女、桜木 八重(サクラギ ヤエ)から取られた事を知ったのはそれからすぐの事だった。

それは男がチームに人数を求めなかったからだ。
かくして小規模のチームが創立されるわけだが、

もちろん俺もチームに誘われた。

「場所は提供してやる、俺を巻き込むな」

「いいな!そのセリフ!燃えちまう」

興味ない。
まぁいい年越えてチームってのも微妙だし、何より年下のガキに指図されるのは気に食わないから。

だけどもし、
運命の出会いがあるとするならば、
人生の転機があるとするならば、

炎にとっての転機はこの時、俺とソイツが出会ってしまったことだろう。




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