まさかの衝撃。

「……ッ!!」

叫ばれた内容を理解するより早く、
完璧に将之の上に乗っかっていた俺はまさかの下からの蹴りにあっさりと、吹き飛ばされていた。

テーブルに打ち付けた右肩がズキリと痛む。

「将之…?」

「…ぁ、ッ!フザケンナ!!テメェなんかダイッキライだ!!!!」

「ま、さ……」

「調子こいてんじゃネェヨ!!誰のせいでこんな!…こんな!!」

「………!」

痛かった。
蹴られたせいとかじゃなくって、でもスゲェ痛む。

「お前が!!あんなフザケタ事言ってから全部めちゃくちゃなんだよ!!」

泣きそうな、でも怒ってるみたいな、将之の表情。
フザケタ事ってナンダロウ、ゴメン将之…うまく頭がまわんねぇ。

俺は真剣だったよ。

「…もぅ、やだ……」

ズキリとまた胸が軋む。
将之は疲れたかのようにポツリと漏らすと部屋から出ていった。
スゲェ、静かに。

「俺も、もうやだよ」

誰からも返事は返って来ないけれど。










怖かった。

追い掛けて拒絶されることが、

でもそれ以上に…

生まれて初めて何を考えてるのかわからない将之の、その答えを知るのが
俺にはどうしても怖かったんだ。




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