どうして俺らは最後にはセックスに頼るんだろうか?ごめんもありがとうも言わないで。
「俺が潰したかったのに」
「その手が俺以外に触れるのは嫌だ」
「カワイイナ」
きっと口で言うより伝わるからだろう。
家に帰ればゴメンネの奉仕とお仕置きの愛撫が待っているんだ。
「…っ、萌黄君…」
内布がぐちゃぐちゃになってる隣で、俺らは抱き合い唇をよせる。
後で救急車呼んでやるよ。
炎は俺を求める。
俺は炎を求める。
皮膚一枚がもどかしいから粘膜で繋がりあう。
いっそそのまま熔けてしまえ。
「炎、チーム連れて先に帰ってろ」
「…………」
「“俺のため”に柘榴組を潰してくれたんだろ?帰ったらご褒美に俺をやるよ」
炎は眉をしかめたがため息をついて俺の体を離した。
ほら、早く帰れよ。
お前らが撤収したら俺らも帰るから。
「……待ってる」
「ん」
炎が部屋から出て行ったのを見届けて、俺は内布を見た。
もう意識もないけれど憐れな男だ。
遠くでバイクの音がして、炎達が帰ったのだと告げる。
バイバイ内布、もう会うこともないだろうけど。
俺もお姫様をお迎えにあがらなきゃ。
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