春日居 柘榴――‥
俺の実兄であり唯一の肉親だった男。
そしてうちの店の元オーナーでもある。
内布の、想い人。
「柘榴はテメェの事なんか覚えちゃイネェヨ」
「黙れ!!ただ血が繋がってるだけでお前を貰ってやるっつってんだよ!!」
「お前なんかごめんだね」
内布の目に正気は無い。
同情する気はさらさら無いがコイツなりに愛しい人間を失って思いつめたのかもしれない。
「黙れッッ!!黙れぇえ!」
嘘に嘘を重ねて、血の繋がりがあるだけの俺を求める程に…
「いい加減現実を受け止めろよ内布」
「ウルセェッ!!お前なんかぐちゃぐちゃに犯してやる」
内布の攻撃は雑だが、さすがに頭をはってるだけはあって強い。
炎と比べると児戯に等しいが。
「テメェの突っ込まれるくらいなら焼けた鉄を突っ込まれて死んだがマシだね」
「ア゛ァ!?男に突っ込まれるしか脳がネェくせにガタガタぬかしてんじゃ…ッッグァアアァッ!!!!!!」
俺は思わず噴き出した。
だってスゲェコントロール。
こっちに向かって来てた内布の二の腕に鉄の棒が綺麗に突き刺さったんだぜ?
まぢうける。
「俺のを侮辱してんじゃねぇよ」
お前どんだけ本気で投げてんの?
「早かったな、炎」
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