南区の朱雀、炎。

「“俺”と会うのは初めてか?」

主の為に此処でこのゲームからは降りてもらう。

「へぇ、そんな顔するとお前でも男に見えるのな」

「お前の今の顔は主には見せれたもんじゃねぇ」

「…………」

そんな冷たい目、初めて見たよ。
イイネ、ぞくぞくする。

「ユエ、手加減出来なかったら勘弁な」

する気もないくせによく言うよ。

「結構」

ポケットから爆竹とライターを取り出して火を着けて放る。
鼓膜に響く音が静寂を裂いていた。

「…オラァァア!!」

同時に炎から仕掛ける。
迫ってくる拳を避けながら炎の手が握られていないのに気付く。
………掴む気か…。

確かに体格的にも腕力的にも掴まれれば勝ち目がない。
それこそ一瞬だ。

避ける事を最優先に、今度は細かく当てていく…
主の為に時間を稼がなければ!!

奥の部屋へは行かせない!!!

「キカネェヨ」

足を踏まれたと気付いた時には完全にバランスを崩していた。
迫り来る拳がスローモーションで見える。







シマッタ!!!
――――…主ッッ!!!




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