私は、中身こそ女に生まれてしまったけれど体は男で………。
女になりたかった。
でも、
「将之！！！！」
主の為なら男でもいい。
「ア゛ァッ！！」
手前にいた和雅を完全無視で再度将之へと突っ込んで行く。
さっきの件があるからか下半身に意識のいっている将之へ、わざと音を起てて踏み込むと一瞬の隙に右手を鳩尾にめり込ませる。
今度のは痛いじゃあすまないでしょ？
「ｯｯう゛っぁ！！」
ゴメンネ。
思って無いケド。
「マサユキィィイ！！」
「……っ！」
わかっちゃいたけど今のは痛かったぁ…
将之を庇うみたいに飛んで来た和雅からの一撃。
馬鹿力だからねん、和雅。
後ろに飛んで威力を殺したけれども…そう何発も貰えるもんじゃないわ。
「テメェ!!よくも将之をっっ!!!!」
「…っ、……！」
目茶苦茶に繰り出される拳をかわしながら、こちらからも仕掛ける。
大技は威力こそ大きいが隙が出来てしまう。
回数を増やし消耗戦に持ち込みには時間が無さ過ぎるわけで…
この馬鹿達に体力使うわけにはいかないのよ！
「……オラァｯ!!!!」
和雅の拳を体で受け止め、思い切り間近に踏み込んで頭突きを喰らわせる。
拳を受けた体が軋んだが気にしてらんない。
よろけた自分を叱咤し、さらに踏み込んで和雅の右手を外に弾いてそのまま肘を喉仏にきめる。
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