やがて日は傾き、街は闇を潜ませて静かに佇んでいた。
日が暮れるのはあっという間だ、
そして人の心が闇に蝕まれるのも大差はナイ。
「お前が悪いんだ…!」
「…………」
火傷の痛みからか涙目で見上げながら男はそう吐いた。
そそらねぇな。
「お前が…お前さえ居なきゃ内布さんだって南に流れなかったんだ!!」
やっぱり…私怨、か。
「返せよ!!」
「……なに?」
俺があいつから盗ったモノなんて何も…
「内布さんの恋人!!お前が盗ったンダロ!?」
「恋人?何言って…」
「フザケンナ!二人は愛し合ってたって聞い―…」
ガンッッ!!!
「ちょっと待て、そいつの名は…?」
俺は全身をぞわぞわと這い上がる嫌悪感に苛立ちを隠しきれない。
内布の恋人なんか知らない!炎以外に興味もない!
「しらばっくれるなよ!うちのチーム名みたらわかっだろ!?」
「柘榴…ざく、ろ?」
「そーだ!俺よかテメェのが知ってるんじゃねーのかよ!?」
俺にとって大切な―…
“萌黄俺はね、お前の”
「ふざけるなっっ!」
コロシテヤル
「ア゛ガッ…グゥッッ!?」
コロシテヤルコロシテヤルコロシテヤル
馬鹿にしやがって!!!
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