事の発端は炎が言った通り、『柘榴組』というチームが北から南に流れて来た事なのだけれども。
流れる、という事自体は決して珍しい事じゃない。
特に北区に関しては多いくらいだ。
北区は他三区と違い走りを売りとする族が多いため、喧嘩が売りのチームが上を目指す為には他地区ヘ移るしかない。
こう言った場合を俺らは流れると言っている。
珍しくは、ないのだ。
じゃあ何故こんなに俺が切れているかと言うと、話せば長くなるのだが…
元々俺はチームの情報網担当っていうか護りを担当している。
だから柘榴組が流れて来る事も知っていたし、いつも通りそのチームの事も調べていた。
調べて、いたんだ。
「炎、店番頼むぞ」
「はぁいv萌黄君もあんまり無理しないでねー」
「あぁ」
情報つったら最近じゃパソコンで何でも手に入るけど、やっぱり欲しい情報にはそれなりのリスクがいる。
あの日、俺は柘榴組について調べるため店を後にした。
組員は30余名、
年齢層は25〜17と珍しく、また、それ以外は特筆する事もない普通のチーム。
喧嘩も強いのか、弱いのか半端なもので、万一にでもうちのチームが負ける事はない。
なら何で調べているかと言うと、
カンに障るのだ、名前が。
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