いただきもの | ナノ




蜂蜜と翡翠

それはまるで鏡合わせの様。ただ違うのはお互いを映す瞳の色。美しい翡翠が見つめる先にはゆらゆらと灯った明かりを思わせる金色。ゆるりと持ち上げた腕を視線を辿るようにそっと頬へと。微かに翡翠色が揺れた。何度もそこを撫でるとすぐ下にある唇が空気を震わす。


「っ、擽ったい…」

「そっか…、ね、これだけじゃ足りない」

「…オレは、充分だけど、っぁ…」


頬を撫でる指先が唐突に離れたと思うと別の場所に感じる感触。服の裾から腹を這う温もりに小さく息が漏れた。ただ、それは先程までのものとは別の、熱を孕んだものに変わる。やわやわとへその窪みを撫で、ふいに少し上まで移動して。


「ん…、まてって…、っ」

「エレン。これ気持ち良い?」

「わかって、る…だろ」

「うん、だってお前はオレだもんな」


直接神経に触れる事は無い。危うい接触に堪らずに小さな声を上げたのを、それを施す本人が笑ったのが首筋を掠った息で分かり、焦燥感を感じる。負けじと肩口に埋められた後頭部から項に掛けて口付けを落とすとびくりと身体が揺れた。

「お前も、項…弱いよな」

「うん」


別にはっきりした行為がある訳では無いけれど。自分の事はやっぱり自分自身が一番分かっている。甘えた様に首筋に吸い付いて来るもう一人の自分をエレンは宥める様に背中に回した手を行き来させた。








相互様の採さんから頂きました!まさか採さんからエレエレちゃんを頂けるとは思っておらず…これからは毎日気兼ねなくこのページばかり眺められるのだと考えると興奮がおさまりません。
採さんありがとうございましたっ!!

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