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喉がかわいて仕方がない


「へーちょ、へいちょう」
ふと律動の間に呼称で呼ばれ、なんだと視線で問いかける。
するとリヴァイの下で喘いでいるエレンが、ん、と唇を突き出した。
「きす、してくださ、」
そういえば今日は、キスをしないまま行為に及んだのだった。
リヴァイはそれを思い出して、エレンのお望み通りに、突き出された唇に自分のそれを重ねる。
エレンは与えられたリヴァイの唇を嬉しそうに柔く食んで、幸せそうに吐息を漏らした。
リヴァイが舌を入れるとエレンも彼の舌を絡めて、まるでリヴァイの唾液を、体液を啜るように、きゅうと吸い付く。
それならばとリヴァイも舌を伝わせて唾液を送る。
エレンは飲み込めなかったリヴァイのものと自分のものとで口の周りをてらてらと光らせていた。
それが酷く淫猥で、薄目を開けて眺めていたリヴァイは、抑えきれずに唇を離し、律動を激しいものにした。



二人とも達した後、抱き合った状態のまま、暫く一言も話さない。
行為後の脱力感と、快感の余韻に浸る。
一種の気だるさを抱えて、エレンはリヴァイの厚い胸板に額を擦り付ける。
「…喉が、かわくんです」
ぽつりとエレンが呟いた。
何の話だと思案して、それでもわからずに、リヴァイは黙ったままエレンの丸い頭を撫ぜる。
「どんなに体を重ねて、セックスをしても、キスをしないと、満足できないんです」
その言葉に、先程のキスを思い出す。
エレンは呟くような言葉の羅列を続ける。
「喉が、かわくような。そんな感覚です」
ぽつぽつとこぼした言葉は区切れて、終わった。
リヴァイはふうんと相槌を打って、今度はエレンの頬を撫ぜる。
エレンは言い終わったことに満足して、リヴァイの手に自らの手を重ねて、リヴァイの体温を感じようとする。
そんな彼が愛おしくて、リヴァイは衝動的にエレンにキスをした。
それこそ、喉が溶けてしまうような。


131115 こまち
みっちーんさんのお誕生日におしつけたもの。お誕生日おめでとうございます。