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これは何かの呪いですか?

※死ネタ





お前を今でも愛してる、と言ったらお前はどんな反応をするだろう。
頬を染めて恥ずかしそうに俯くだろうか。真っ赤になって慌て出すだろうか。それとも、その金色の目を細めて笑うのだろうか。

お前は俺のいない所で死んだ。巨人に全身を喰い散らかされて。後には肉片もなにも残らなかった。
いや、一つだけ、残った。後悔だ。俺が側を離れなければよかったのに。
なあエレン、お前の顔が見たい。恐怖に怯えた顔でもなくギラギラと闘志を燃やす顔でもなく、お前の眩しいその笑顔が。俺に笑いかけるその笑顔が。
お前の頬を、髪を撫ぜたい。瞳を覗き込みたい。体に触れて暖かな体温を感じたい。

どう考えたって簡単なことなのに、なぜできない?
どれだけ年月が経ったって、お前を忘れることができない。何度も夢に見て、外に出たらお前の姿を探して、それでも見つからない。お前も俺を探しているのか?ただの行き違いなのか?それとももう俺のことを嫌いになっちまったのか?逃げてるのか?ああ、俺もお前のことを嫌いになってしまいたいよ、エレン。忘れてしまいたい。

こんな、こんな人類に捧げたはずの心臓が痛いなら返してくれ。そしてナイフでひとおもいに突き刺してくれ。それで解放されるなら。


190804 りーく
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