押し付けたもの | ナノ


ありったけのアイラブユー


微妙な流血表現有。ヤンデレ

「えれん、えれん、いたい、もう、やめてくれ」
とある薄暗い部屋に、一人の男、リヴァイが閉じ込められている。外からは隔離されていて、関わるのはといえば、この男を閉じ込めている本人ーーエレンしかいない。
そのエレンの手にはリヴァイの血がべっとりとこびりついていて、テラテラと窓の隙間から漏れる光に反射して光っている。一方のリヴァイはといえば、エレンに噛みつかれたり爪で肉を引き裂かれたりして、裸体の至る所から血を垂れ流していた。その顔は苦痛に歪み、だけれど傷を恐る恐る、そして愛おしそうに覗き込む。
「リヴァイさん、ねえ、次はどこに印を付けましょう?外に出てデートしたいですものね?ちゃんと、見えるところに印つけとかなきゃ…」
そう言って、エレンはまたリヴァイの体に深く深く歯を突き立てた。
「ひぅ、ああ、あ…」
鋭い痛みにリヴァイは声を抑えることもせず、息と共に声を吐き出す。
エレンは傷をつけ終えると、その傷に唇を押しあてて、ちゅ、ちゅ、とキスをする。リヴァイはくすぐったそうに体をよじって、エレンはその姿にくすりと笑った。リヴァイがその顔を見上げると、エレンの唇には自身の血が付着していて、なんとも言えぬ恍惚とした感覚が全身を駆け巡る。
「そろそろ、いいですかね。これでみんな貴方がオレのモノだってわかるでしょう」
エレンはは満足げに笑って、その笑顔を見てリヴァイは嬉しくなる。
「えれん」
頬や首にも傷があるために、痛くてうまく喋れないが、それでも彼の名を呼んで手を伸ばす。そうするとエレンは目を細めて笑って、リヴァイの手を握って、唇を愛おしそうに食んでくれる。まるで子供の戯れの様に甘い口づけを繰り返した。エレンの口付けは、血の匂いがした。


131101 こまち
やうたすくへ。