ゴミ箱 | ナノ


詰め


「後る」

残されるものはいつだって悲しい。罪悪感と悲しさと寂しさに埋もれる。庇って死ぬことも、仕方ないと諦めて死ぬことも、巨人に喰われて死ぬことも、結局は死ぬことだ。他の者を遺してゆくことだ。死ぬということはそういうことだ。少なくとも、生きている人間から見たら、そういうものなのだ。


***

それは靄となる

「ーーーーー」
そう言ってお前は切なそうに笑うんだ。


***


それはただの月か、幻か

「なあおい、今日の月はお前の目の色と酷似している」
そうは思わないか、と一人で言葉を紡ぐ。隣で寝息をたてるエレンを、起こさぬように、優しく。
目玉焼きの黄身のような、真っ黄色の月が彼らを照らす。


131120 こまち
あまりにも短いのだったのでつめときました